
日本人は素通りでも、外国人観光客が多く訪れている「穴場スポット」が、東京都内には存在する。日本人がまだ知らない、外国人が行列し、絶賛する東京へ出かけてみた。
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「きょうは日本のラストデイ。明日は成田空港からドイツへ帰国します。だから、どうしてもここに来たかった」
ドイツから来た身長190センチほどの男性は雨が降りしきる中、東京都庁にやって来た。目的は、東京を一望できる高さ地上202メートルの都庁45階の展望室だ。
「私はシュトゥットガルトから来ました。33歳です。日本に3週間滞在していました。南展望室からの眺めはグッド。雨は、雨なりに美しい光景だったね」
都内には複数の高層ビルがあり、誰もが思いつくのは、東京タワーやスカイツリーだろう。だが、外国人観光客には都庁の展望室もなかなかの人気ぶりだ。 都庁財務局庁舎管理課の担当者によれば、南と北の両展望室を合わせ、2024年度(昨年4月~今年3月)は1年間で150~160万人が訪れた。ゴールデンウィークに入った5月1日には1日で約7200人の客が訪れた。うち、8~9割が外国人客だ。
展望室にある売店の担当者によると、 3月後半から4月中旬まではピーク。桜を見に来日する外国人が多く1時間~90分待ちの行列になっていたという。

都庁の展望室は第一本庁舎の45階にあり、「南展望室」と「北展望室」の南北に分かれる。それぞれ1階に専用エレベーター乗り場がある。 担当者はこう話す。
「ここのビルの高さは地上243メートル。北も南も、東京を340度、一望できるのは変わらないんですね」(都庁財務局庁舎管理課の担当者)