「周りはみんなiPhone」

 もっとも、Androidにも同様の機能として「Quick Share」があり、機能面で両者にほとんど差はないと篠原さんは言う。さらにAndroidは多くのメーカーから発売されていて端末の選択肢が豊富というメリットがある。「それでも」と、前出の女子生徒は続ける。

「型落ちでもいいから、皆と同じ『iPhoneを持っている』ということが大事なんです。友達と遊びに出かけて写真を撮ったら、その場でみんなと共有するのがルーティン。エアドロなら画質を落とすことなくすぐに送れますし、そこで“映え”とかを言い合うのが楽しい。iPhoneじゃないと話題にもついていきにくくなってしまうと思います」

 海外と比較しても日本はiPhoneのシェア率が高いとされ、2008年の日本上陸以降、根強い“iPhone信仰”が続いている。当時使っていた年代が親になり、おさがりとして子に与えるケースもある。そんなスパイラルも「周りはみんなiPhone」という状況を生み出していると篠原さんは話す。

「親が子にスマホを買い与える際に一番気を付けたいのは、管理ができるかどうか。使い勝手や管理のしやすさから、親と同じOSの機種を選ぶのがいいと思います。たとえば同じiPhoneであれば、アプリ購入の制限を入れたり、位置情報を把握したりできます。Androidにもファミリー共有のアプリがありますが、OSをまたいで使うと管理が難しくなります。また、日本でのこれまでのシェア率の高さからか、スマホケースなど周辺アクセサリーはiPhoneのほうが充実しています。かわいさやかっこよさにも気を遣う中高生世代からすれば、こだわる理由は理解できます」

 中高生にとってのiPhoneは機能以上の“付加価値”があるようだ。

(AERA編集部・秦正理)

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