中高生の8割超が持つスマホ。iPhoneは根強い支持を集める。写真はイメージ(写真:Stanislav Kogiku/アフロ)
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〈中1になる妹がスマホ買ってもらえるんだけどiPhoneにこだわりすぎて困る〉

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 5月下旬、そんなポストがX(旧Twitter)で話題になった。中でもiPhoneへのこだわりとして注目を集めたのが、〈Androidだといじめられるから〉という理由だ。

 今や中高生の8割以上がスマホを持つ時代になった。こども家庭庁の「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」によれば、青少年のスマホ利用率は小学生が46.2%、中学生が82%、高校生が97.6%となっており、年齢が上がるほどに親との共用などではなく、自分専用のスマホを持つようになる。

 そのスマホ選びをするとき、iPhoneにするかAndroidにするかは誰しもが悩むポイントだろう。使い勝手や価格帯、デザインなど個々人の好みもあるが、中高生にとっては「友達と同じ」というのが重要なポイントになるようだ。

 栃木県内の高校に通う3年の女子生徒はこう言う。

「中学2年の時に初めてスマホを買ってもらいましたが、周りの友達のほとんどがiPhoneだったので、選択肢はiPhone一択でした」

 今、クラス約20人のうちAndroidの使用者は2人だけだという。iPhoneにこだわるのは、「ある機能」が不可欠だからだと話す。

「iPhoneにしかない勉強系アプリがあるとか、こだわるポイントはありますが、一番重要なのはエアドロ(Airdropの略)です。これが使えないのはありえない」

 AirdropとはiPhone(Appleのその他デバイス含む)間で瞬時に写真などのデータ共有ができる機能だ。データ送信時に画像の圧縮などがなく、近くにデバイスがありさえすれば複数人に一斉に送ることができる。

 確かに便利ではあるが、なぜ中高生ではこの機能が“必須”とされているのか。その背景をITジャーナリストの篠原修司さんが解説する。

「iPhoneの所有率は男子高校生に比べ、女子高校生のほうが2割程度高い8割超とするデータもありますが、これはやはり写真共有ができるAirdropの存在が大きい。インスタグラムなどSNS活用が当たり前の世代にあって、むしろこの一点のみで選ばれているとも言えると思います」

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