2024年秋の自民党総裁選では、想定外の3位に甘んじた。衆院選の結果をうけて選挙対策委員長も辞任した。復活の準備をしていたと思う。大手商社出身のスタッフが今の進次郎氏をプロデュースしているようだ。
農林水産省は27日、前日から受け付けを始めた備蓄米の「随意契約」に、同日午前9時までにドン・キホーテやオーケー、楽天グループなど19社から申しこみがあったと発表した。19社の購入申請量の合計は9万824トン。当面の放出枠としている30万トンの3割に相当する。
「進次郎でもだめだったらうち(農水省)もつぶれてしまう。もう選択肢はない。進次郎に乗るしかない」。農水省関係者はこう話す。
進次郎氏や関係者がにらむのは7月20日が投開票日として有力視される参院選だ。「(進次郎氏は)いずれ説明が難しくなる時がくることも考えられる。最初の1~2週間でいかに市場にインパクトを与えられるかが勝負だ」と関係者は話す。進次郎氏も「初日からトップスピードだ」と自分を奮い立たせる。
23日の閣議後会見では、25年産のコメの作付面積(4月末時点)が大幅に増え、コメの生産量が前年より40万トン(需要全体は約670万トン)増える見通しであることも自ら発表した。今年はコメがたっぷりとれますよ、とのメッセージを市場に流した。
日銀の「黒田バズーカ」は10年超でも結果を出せなかった。進次郎氏は2カ月での成果を求められている。
農協は戦々恐々
進次郎氏に戦々恐々としているのが農協(JA)グループだ。進次郎氏は「組織、団体に忖度しない」と明言する。農協のことだ。進次郎氏は15年10月に自民党農林部会長に就き「JA全農(全国農業協同組合連合会)改革」を手がけた。全農は農産物や資材の販売などを手がける農協グループの巨大商社だ。「民間」相手で、激しい抵抗もあり、玉虫色の結果になった。
大昔から農協側が絶対譲れないのが「米価維持」。コメ兼業農家が組合員で一番多い。農協の金融口座数と連動する。金融収益が農協の生命線で政治力の背景だ。その源泉の米価を下げるというのだから、今後はガチンコ勝負になる。