
新庄剛志監督が率いて4年目を迎えた日本ハムが、貯金6で首位を快走している。開幕から4番を打っていた野村佑希が5月中旬に左脇腹の肉離れで戦列を離れ、清宮幸太郎、万波中正、レイエスら打撃陣も好調とは言えないが、リーグ2位の160得点をたたき出していることが地力の強さを証明している。投手陣も安定していて大崩れするイメージがわかない。
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チームが好調のときはトレードで戦力を動かさないのが常道だが、スポーツ紙デスクは「新庄剛志監督はもっと先を見据えて戦っています。夏場以降の勝負所に向け、トレードでリリーバーを補強する可能性があります」と語る。
日本ハムの救援陣が決して不安定なわけではない。池田隆英、河野竜生、宮西尚生、斎藤友貴哉と力のあるセットアッパーがそろい、守護神・田中正義につなぐ勝利の方程式が確立している。玉井大翔、柳川大晟、中日からFA移籍した福谷浩司もいて、育成から支配下昇格した台湾出身右腕・孫易磊も初登板となった5月22日のソフトバンク戦で2回1安打無失点の好投を見せた。ファームにもケガからの復活を目指す生田目翼、1軍で実績十分の杉浦稔大が控えている。
一見すると補強の必要性は感じないが、日本ハムを取材するスポーツ紙記者は違った見方を示す。
「池田、河野が登板過多になっていますし、リリーバーは何人いても困らない。昨年リーグ制覇した巨人、ソフトバンクを見ても救援陣の層が厚い。守護神クラスの投手が欲しいところですけど、助っ人外国人ならともかく他球団がトレードで放出するのは現実的ではない。20代のロングリリーフができる投手を狙うのでは」
日本ハムにトレード補強がささやかれるのは、他球団が欲しがる「交換要員」が充実していることも背景にあるだろう。セ・リーグ球団の首脳陣は「22年に2ケタ本塁打をマークした実績を持つ今川優馬は評価が高い。得点力不足で外野が手薄な球団は欲しいでしょう。左のセットアッパーとして活躍していた堀瑞輝は、近年登板機会を減らしていますが、27歳とまだまだ若いので環境を変えれば復活する可能性があります。身長191センチ左腕の上原健太も今の先発陣に食い込むのは難しい。トレードのコマになるでしょう」と指摘する。