
夢のチケットはある
──絵や音楽には無意識に自分の気持ちが出るという。
香取:緑黄色社会と作った「夢々Ticket」の歌詞は、飛んできた1枚のチケットを拾った子がそのライブを見に行って「自分もステージに立ちたい」という夢を持つ。紆余曲折を経てやがてステージに立ち、そのライブを最初にチケットを拾った時の子が客席で見ているという、タイムリープのような物語になっています。意識せずとも僕が子どもの頃からステージに立ってきた経験と今の自分の想いが込められていった。この曲で言いたかったのは「夢のチケットはある」ということです。
──子どもの頃から夢見てきたステージ。香取にとってそこはどんな場所なのだろうか。
香取:グループでドームツアーもスタジアムツアーも山のように経験してきたこともあり、「自分が一番安らげる場所」です。5万人の前に一人で立っていたとしてもそうです。小中学生の頃はさすがに緊張していたとは思いますが、不思議なことに「俺なんてピエロだ」と思っていた20代の頃からリラックスできる場所になっていった。
ドキドキして楽しい
僕にとってステージは、学生時代に好きな子と偶然同じ場所にいたり、一緒に修学旅行に行ったりするとドキドキして楽しい気持ちになるのと同じ感覚が味わえる場所。その感覚を持てる相手がお客さんの数だけいます。皆さん愛を持ってライブに来てくれるし、僕も皆さんのことを愛しています。一人でもドキドキして楽しいのに、それが何万人もいるので最高です。
──31日から「Circus Funk」を引っ提げて初のソロツアーを行う。
香取:昨年末に行った「“Circus Funk” Festival」はフェスということもあり、アルバムに参加したゲストがたくさん出てくれました。今回のソロツアーは文字通りソロでのパフォーマンスになるんですが、きっとフェスとは違った新しい楽しさが生み出せるはず。ワクワクしながら内容を練っているところです。
(構成/ライター・小松香里)
※AERA 2025年5月26日号より抜粋
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