その立ち振る舞いが世界の注目を集めたドナルド・トランプ氏。出馬宣言以降の言動から、彼が国民の支持を集める背景を探った書だ。
不動産事業やカジノ経営を手掛ける実業家として政界に進出、自己資金で選挙活動を行う。独自の経歴やスタイルから導かれるのは、「本音」を感じさせる発言だ。「政治的に正しくあることはとても退屈」と語り「不法移民には強制送還を実行」「ヒラリー・クリントンは夫も満足させることができない」等々、社会的弱者や対立候補への攻撃的な言動も辞さない。発言がメディアで非難を受けるほど、かえって国民の注目は高まり、支持率は増した。彼に目を奪われるとき、私たちは既に「トランプショー」の一員だったのだ。からくりを気づかせ、政治家に「使われない」ためのヒントを与える。
※週刊朝日 2016年12月16日号