
ナ・リーグ中地区の首位を走るカブスにとって、大きな痛手となった。エース格の今永昇太が5月4日(現地時間)のブルワーズ戦で、6回に一塁ベースカバーに入った際に左足を痛めて緊急降板。球団は翌5日、今永を「左ハムストリングスの違和感」で15日間の負傷者リスト(IL)に入れたと発表した。
【写真】メジャーでも「中6日」で抜群の投球を見せているのはこの投手
今永はメジャー1年目の昨年、チームトップの15勝をあげ、いきなりエースと呼ばれる存在となった。シーズンを通して働き続け、投球回数173回1/3もチームトップ。今年も8試合登板ですでに3勝をあげ、チームトップの44回2/3を投げていたが、メジャー2年目で初のIL入りとなった。
4日の試合でも、高めに浮きあがる直球とスライダー、チェンジアップのコンビネーションで打者のタイミングを外し、5回まで3安打無失点に抑えていた。6回1死で打者を一ゴロに打ち取った後、一塁へのベースカバーに走る途中で表情をゆがませ、左太もも裏を抑えた。足を引きずりながらベンチに下がり、途中交代となった。
前回登板で予兆があったのに…
まさかのアクシデントだったが、予兆はあった。前回登板の4月29日のパイレーツ戦でも無失点の好投を続けていたが、6回途中で両足のけいれんに見舞われ、マウンドを降りている。NPB球団の元トレーナーはカブスの起用法に疑問を呈す。
「足のけいれんは体の異変を知らせるサインです。登板間隔を空けたほうがいいと思っていましたが、まさか中4日で登板させるとは……。首脳陣が今永と話し合って決めたことなので詳細は分からないですが、信じられないですね。腰にも大きな負担がかかっていると思うので、万全のコンディションを取り戻すまで慎重に調整したほうがいいです」
カブスでは23年に16勝を挙げた実績をもつ左腕のジャスティン・スティールが、今年4月に左肘靱帯の手術で長期離脱が決まったばかり。左腕の2枚看板が欠ける非常事態となったが、カブスに限らず近年はどの球団も先発陣の故障が相次いでいる。
日本人投手では、千賀滉大がソフトバンクからメッツにFA移籍した23年に12勝を挙げたが、昨年は右肩の張りで出遅れると、復帰登板となった7月26日のブレーブス戦で守備の際に左ふくらはぎを痛めて倒れこんだ。再び戦線離脱し、昨年は1試合登板のみに終わっている。パドレスのダルビッシュ有も今年は開幕前から右肘の炎症でIL入りし、まだ登板できていない。