
巨人・浅野翔吾が、1軍でプレーした支配下の選手では異例となる3軍でプレーしている。
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故障しているわけではない。理由は深刻な打撃不振だった。開幕1軍の切符をつかめず、イースタンリーグでも20試合出場で打率.091、0本塁打、6打点。初球から振れる積極性が持ち味だが、ストライクゾーンの甘い球に手が出ない。思い切りの良さが鳴りを潜めて直球、変化球にはタイミングが合っていなかった。高校時代から浅野を取材してきたフリーライターは首をかしげる。
「ファームの打席を観ましたが、浅野の良さが消えてしまっています。スイングが小さくなり、窮屈な打撃になっている。首脳陣の指導方針なのか、本人の考えであの打ち方にいきついたのか分かりませんが、タイミングが取れていないし当たっても打球に力が伝わらない。自分の間合いで強いスイングをしていた高校時代とは別人です。打撃でのスタイルが固まっていないように見えます」
高3の時点では鈴木誠也より上
浅野は中学時代にU-15アジア野球選手権大会の日本代表に選出されるなど、アマチュア球界で名の知れた存在だった。全国の強豪校から声を掛けられたが、地元の高松商に進学。1年夏に置をつかむと、知名度を一気に高めたのは3年夏の甲子園だった。2回戦・佐久長聖戦で2本のアーチを放つなど、打率.700、3本塁打、6打点でベスト8進出に貢献。バックネット裏から視察していたセリーグ球団のスカウトはこう振り返る。
「高校生の中に大学生が一人入っていると感じるぐらい、レベルが違いましたね。パワーもそうですけどミート能力が非常に高かった。選球眼も良くボール球をきっちり見逃すので、投手は投げる球がなかった。高校生レベルで抑えられる打者ではなかったですね。高3の時点では鈴木誠也(カブス)より上でした。打撃フォームに関してはいじるところがなく、高卒入団でも早い段階から1軍で活躍するイメージを描いていました」