
テレビはまどろっこしくて見る気がしない
「30分の授業でも集中力が持たない学生が増えているように、若者世代は長時間同じことを続けるのが苦手で、“タイパ”重視。CMが入るたびに同じ場面を繰り返すような、進行の遅いテレビコンテンツは、まどろっこしくて見る気がしないのも当然です。チャンネルを変えさせないよう、『クイズの正解は後ほど!』などと引き伸ばすのは、視聴率でフジに勝つために、我々が20年以上前に編み出した手法。責任は感じますが、『いい加減やめなさい』と言いたい」
もちろん、若年層からの支持を得ることに成功している番組もある。
思わず突っ込みたくなる体当たり企画が売りの「水曜日のダウンタウン」(TBS系)や「世界の果てまでイッテQ!」(日テレ系)、ショート動画を繋ぎ合わせたような構成で“切り抜き”が拡散されやすい「有吉の壁」(日テレ系)、人気アイドルが出演する「それSnow Manにやらせて下さい」(TBS系)や「Golden SixTONES」(日テレ系)……。若者に見てもらうためには、SNSでのバズりやすさは必須だ。
リアルタイム視聴が敬遠される中、配信での再生回数も番組の重要な評価指数となりつつある。民放テレビ局が共同で運営する動画配信サービス「TVer」は、昨年12月に過去最高の月間動画再生数を記録するなど堅調だが、各局も独自に配信環境の整備を進めている。
日テレは14年にHulu Japanを買収し、テレビ朝日は16年にサイバーエージェントと共同でインターネットテレビ局「AbemaTV(現在はABEMA)」を開局するなど、それぞれが国内配信の基盤を強化してきた。