祖父江里奈さん/撮影:佐藤創紀

大ヒット作を手がけるよりも…

 誰かを傷つけるような表現になっていないか。エグいシーンがあっても、一瞬の刺激で終わらず、その奥に視聴者の心に残るようなメッセージはあるのか。やっぱり、社会に対して何かしら良い影響を及ぼす作品を生み出すことが、オールドメディアの責任だと思うのです。

 テレビ局の人間であれば、大ヒット作品を手がけることに野心を燃やしているイメージがあるかもしれませんが、人によりますよ。私の場合は、見る人が「私はこのドラマが好き」と誇りを持って言えるような番組を作りたいし、自分の作品を必要としてくれる人にきちんと届けたいという思いが強いです。

 もちろん、「VIVANT」(TBS日曜劇場)みたいな大作に携わりたいという気持ちもなくはないですが、私には向いていないでしょうね。なにせずっとテレ東にいて、お金の使い方を知らないもので(笑)。

(AERA編集部・大谷百合絵)

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