祖父江里奈さん/撮影:佐藤創紀
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 スマホなどで好きなコンテンツを好きな時間に視聴できるようになった今、テレビ局はビジネスモデルをどう変化させているのか。そして、Netflixなど配信メディアが制作するハイクオリティーなオリジナル作品に、どうやって太刀打ちしていくのか――。テレビ東京ドラマビジネス部のヒットメーカーである祖父江里奈プロデューサー(40)に、“大配信時代”におけるテレビ局の生き残り戦略について聞いた。
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――今のテレビ東京では、番組に対する評価として、地上波の視聴率と配信メディア上の再生回数のどちらがより重視されますか?

 ゴールデンタイムの放送枠は視聴率を死守することがミッションですが、深夜ドラマの中には視聴率よりも配信での再生回数を上げようと割り切っている枠もあります。

 今年放送した金曜夜9時枠のドラマ「法廷のドラゴン」は、枠の歴代最高視聴率を記録しつつ、配信でもよく見られたヒット作でした。地上波で強いコンテンツは配信でも強い。逆に、配信で話題になったからといって地上波の視聴率を取れるとは限らないのが、不思議なところですね。昨年、私が担当した「夫の家庭を壊すまで」は配信で相当見られたので、地上波の視聴率も少しは上がるだろうと思ったら、0.1ポイントも動かなくて……。ちょっとショックでした。

「法廷のドラゴン」 🄫「法廷のドラゴン」製作委員会 Prime Videoで配信中
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