
くふうハヤテベンチャーズ静岡──。NPB(日本プロフェッショナル野球組織)、いわゆるプロ野球のファーム・リーグ拡大に伴い、昨年から二軍のウエスタン・リーグに参戦したこの新球団の名前を耳にしたことのある野球ファンは、決して少なくないだろう。
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創設初年度は28勝84敗8分で最下位に沈んだものの、元オリックスの西濱勇星を育成契約でヤクルトに、元北広島市職員の早川太貴を育成ドラフト3位で阪神に送り出した。その1年目の収穫と反省などを、球団社長を務める池田省吾氏に聞いた。
──そもそもこの「くふうハヤテ」は、どんなチームなのでしょう?
NPBのファーム・リーグ(イースタン・リーグ、ウエスタン・リーグ)拡大構想自体が野球振興と地域の活性化というところなので、まずはそこを目指してチームづくりをしています。最初の年から言い続けているチームのコンセプトとしては「育成して、再生して、勝っていく」。それは変わらず、ブレずにやり続けないといけないと思っています。選手の8割ぐらいがドラフト対象選手なので、彼らが10月のドラフトにかかるように「育成」する。2割の元NPB選手は、7月末の移籍期限までにもう一度、セ・パ12球団のグラウンドに立てるように「再生」する。そういうコンセプトでやっています。
──NPBではどのような立ち位置になるのでしょうか。
ファーム・リーグの参戦チームという枠を新しく作っていただいたプロ野球チーム、新しいカテゴリーのチームというところになります。よく「一軍のないチーム」と言われるんですけど、それで言うと我々はあくまでもトップチームとしてファーム・リーグに参戦している新しい形のチームと思っていただければ一番いいですね。
──球団社長として、池田さんのお仕事は?
これは野球独特だと思うんですけど、オーナーがいて、そこに現場の責任者として私がいる形です。なので基本的には経営面ですけど、営業面、チーム運営面、チームのバックオフィス、管理面ですね、そこは一応すべて見させていただいているという立場になります。現在は最小限のスタッフで回していて、私も現場出身なので(チケットの)モギりの人数が足りなければモギりもやりますし、グッズ販売のスタッフが少なければそのフォローにも入ります。職員はみんなマルチタスクなので、営業だけやっているとかこの仕事だけやっているっていうスタッフはいないので、その中で立場は違いますけどやることは一緒だっていう、そういうスタイルです。自分はもともと独立リーグの運営に携わらせていただいていたので、その時の経験をそのままやらせていただいている感じかなと思います。