また、こころとからだの関係は一方通行ではなく、相互に影響し合って、負のスパイラルを起こすこともあります。例えばパニック障害はストレスなどこころが原因となって、パニック発作という身体症状が出ますが、一度発作を経験すると再び発作が起こるのではないかという恐怖感が芽生え、その恐怖が発作を引き起こすという負のスパイラルに陥っていきます。

 心身一如を見抜かずに、こころとからだ、どちらか一方の表面的な症状だけを診て治療をしても、うまくいきません。どちらにアプローチして治療を進めるかは臨機応変に対応しますが、最終的に目指すのは心身ともに改善することです。だからこそ漢方は、根本的な治療が可能といえるのです。

『メンタル漢方 体にやさしい心の治し方』(朝日新聞出版)

『メンタル漢方 体にやさしい心の治し方』(朝日新聞出版)から一部抜粋

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