ストイックな体重管理で日に日に細くなり35キロを下回るまでに(写真はイメージ/GettyImages)
ストイックな体重管理で日に日に細くなり35キロを下回るまでに(写真はイメージ/GettyImages)

 そんなストイックな生活のおかげで、ある日を境に、日に日に細くなっていきました。体重もどんどん減っていきました。そんな目にみえる身体の変化が嬉しくなり、食事制限はさらにエスカレートしていきました。次第に頬はこけ、生理も不規則になってしまいました。

 日ごとに体力は落ち、通学カバンを持つのもやっとのことになり、階段を登ることさえ出来なくなってしまいました。体重は35キロを下回っても、それでも私は、「もっともっとやせないといけない……」と思い込んでいたのでした。

担任の先生のすすめで病院へ

 そんな私をみるに見かねた担任の先生の強い勧めで(仕方なく)実家近くにあった大学病院の精神科を受診しました。診察してくださった先生からは、「あなたは、餓死寸前の状態です。このままでは死にますよ。」と言われ、「即、精神科病棟に入院」となったのです。

 そう、いつの頃からか、私は「摂食障害」を患っていたのでした。もちろん、当時の私には、摂食障害であるという病識は全くありません。そのため、友人や担任の先生、そして両親の心配が、私の心に届くことはなかったのでした。

 即入院となった私に待っていたのは、精神科病棟での入院生活でした。病識のない私は、「どうして鍵付きの病棟に閉じ込められるんだ」と怒りの気持ちを抑えることができません。主治医からは「体重を10kg増やさないと退院できません。」と言われ、3食山のようにどんぶり鉢に盛られた米とおかずが私の元に届いたのです。最初は自分の置かれた状況を受け入れることができず、食事にもほとんど手をつけない日々が続きました。

4カ月で退院できたものの

 2カ月ほどが経った頃、「本当に退院させてくれないんだ」とわかった私は、その日からなるべく動かないようにすることでカロリー消費を抑え、一生懸命ご飯を食べることに集中するようになりました。そのおかげで、4カ月ほどで退院することができましたが、過食気味になったり、食事制限をしてしまったりと、とても不安定になり、勉強どころではなくなりました。何とか高校を卒業することはできましたが、大学受験はもちろん不合格。浪人することになったのでした。

 1年間の浪人生活の末、何とか大学に合格することができました。今となっては、浪人生活を送ったこと、目標に向かって勉強したことはとても良い経験だったと感じています。けれども、「あの時食事制限をしなかったら、摂食障害にならなかったら、本当に行きたかった大学に合格できたのではないか……」と思うと、悔やみきれません。

 極端なことをしてはいけないということを、身をもって体感したおかげでしょうか。摂食障害を再発することなく、現在に至っています。とはいえ、体型が気になってしまう性格は、今も昔も変わりませんから、体重を維持するように意識しないといけません。

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