
日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「摂食障害で入院して気づいたこと」について、鉄医会ナビタスクリニック内科医・NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。
【病院ランキング】子宮・卵巣がん手術数が多い病院1位~40位はこちら(全4枚)
* * *
「やせたい!」「こんな太った体型はイヤだ…」そう思ったことはありませんか?
私は、これまでに何度もそう思ったことがあります。5年ほど前には、GLP-1(ジーエルピーワン)受容体作動薬を内服[※1] し、体重を減らすことに成功しました。しかしながら、内服をやめてからは減らした体重を維持するのがとても大変で、ちょっと油断すると鎖骨のラインが消え、お腹がぽよぽよとしてきます。
「誰も、私の身体なんか気にしていないよ。」といえばそうなのですが、どうしても自分の体型が気になってしまうのです。「モデル体型とまではいかずとも、ある程度やせていたい」とどうしても思ってしまうのです。
そう思ってしまう性格は、物心ついた頃から変わりません。そんな性格に思春期という身体と心が不安定な多感な時期と重なって、私はストイックな食事制限にブレーキがかからず、摂食障害になってしまったのです。
高1でぽっちゃりを気にして35キロに
ことの始まりは、高校1年生になった頃。かなりぽっちゃり体型だった私は、他人と自分の体型の違いが気になり始めたのです。自分の太った体型が気になって仕方なく、常に周囲の人と体型を比較するようになりました。「細くならないと!」そう思った私は、食事制限によるダイエットを始めたのでした。
ちょうどその頃、大学受験を意識し始め、今まで以上に勉強に力を入れ始めた時期でもありました。痩せるため、そして大学受験に成功するために、3食の食事制限を徹底し、お菓子は一切食べず、帰宅してからは寝るまでひたすら勉強をするという毎日を送ることにしたのです。