
華族の娘を演じたNHK連続テレビ小説「虎に翼」やTBS系ドラマ「ライオンの隠れ家」をはじめ、数々の出演作で圧倒的な存在感を放ってきた桜井ユキ(38)。多くの業界関係者に「今、一緒に仕事したい女優」と言わしめる理由は、徹底的に役作りをして挑む演技力だけでなく、その優れた人間性にもあるようだ。
近年、ドラマや映画に引っ張りだこの桜井だが、今月には主演を務めるNHKドラマ「しあわせは食べて寝て待て」がスタート。同作は水凪トリ氏の同名漫画を原作としたヒューマンドラマで、桜井が演じるのは“一生付き合わなくてはならない病気”にかかったことから生活が一変し、週4のパートで質素に暮らす38歳独身の主人公だ。
さらに桜井は、Mrs. GREEN APPLE・大森元貴とtimelesz・菊池風磨がダブル主演を務める今月25日公開の映画「#真相をお話しします」に“主婦”役で出演しているほか、6月13日公開の小栗旬主演映画「フロントライン」ではテレビ記者役を演じている。
映画初主演となった2017年公開の「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY-リミット・オブ・スリーピング ビューティ-」では妄想と現実の境界がわからなくなるヒロインという難役に挑戦し、この翌年に公開された松坂桃李主演のR18+指定映画「娼年」では覚悟の演技を見せた桜井。主演、脇役問わず幅広い役に挑戦してきた彼女であるが、特に印象的だった作品をドラマライターの北村有氏に聞いた。
「19年にNHKで放送されたドラマ『だから私は推しました』は、定期的に見返したくなる作品ですね。桜井さんにとって初の連ドラ主演作というのもありますが、地下アイドルの推し活に目覚める主人公・遠藤愛を演じる桜井さんのひたむきさ、そしてミステリー要素が絡んでくるなかでのバランス感覚が、ぐいぐい物語の流れに引き込んでくれます。また、21~22年放送のドラマ『真犯人フラグ』で演じたシングルマザーの菱田朋子は、演技から『楽しんで演じられているんだろうなあ』というのが伝わってきました。ああいうサイコパスな役もまた見てみたいです」