
広告価値は下がらないのか?
一方で気になるのは、これだけ大谷だらけで広告価値は維持されるのか、ということ。大谷個人ではなく、所属チームであるドジャースと契約する企業も増えた。昨年以降、大谷個人がJAL、ドジャースがANAという「同業かぶり」まで起きている。大谷がANAの広告に出演するわけではないが、個人での移動はJAL、チームでの移動はANAを使うという。西山さんは続ける。
「これだけ多くの広告に出演しても、相乗効果で広告価値は高まっていると思います。『同業かぶり』も、かつては元ヤンキースの松井秀喜選手のときに個人がJAL、ヤンキースがコンチネンタル航空と契約するなど、前例がないわけではありません。今回は日本企業同士なので一歩踏み込んでいる印象はありますが、それだけ大谷選手のブランド力が大きいということ。広告の仕事は無制限に増やせるものではないので、これからさらに大きく増えることはないでしょう。一方、イメージが高いからこそ、仮にスランプに陥っても多くの企業は『支える』はず。大谷選手を日常的に見かける状況はしばらく続くと思います」
こんなに大谷のことを考えた1日だったからだろうか。その夜、夢の中にも大谷が出てきた。大谷が打ったホームランボールをキャッチしてみるとそれがおにぎりで、サインしてもらおうと持って行ったらロバーツ監督に食べられた。そんなおかしな夢だった。これも、大谷の宣伝効果ゆえなのか。
(AERA編集部・川口穣)