ミラノ五輪で金メダルの期待が高まる「りくりゅう」ペア
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 2026年ミラノ・コルティナ五輪の前哨戦となるフィギュアスケートの世界選手権(アメリカ・ボストン)が、先月27~30日に行われた。日本は金1つ、銀1つ、銅2つと計4つのメダルを獲得。今大会にはミラノ五輪出場枠もかかっており、男女シングルは最大の3枠、ペアは現状で1枠を獲得した。

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 ペアの三浦璃来&木原龍一は、2年ぶりに2つ目となる世界選手権の金メダルを勝ち取った。2位に入ったのは、ミネルヴァ・ファビアン・ハーゼ&ニキータ・ボロディン(ドイツ)。昨年12月のグランプリファイナルではハーゼ&ボロディンが優勝、三浦&木原が2位だった。今大会でも三浦&木原とハーゼ&ボロディンの点差はわずか0.71で、実力は拮抗している。

 三浦&木原は優勝候補、ハーゼ&ボロディンはその好敵手としてミラノ五輪に臨むことになった。ミラノ五輪は、2022年10月に結成したハーゼ&ボロディンにとり、カップルとしては初の五輪となる。一方、三浦&木原にとっては2022年北京五輪に続いて2回目の五輪だ。三浦&木原の経験が、ミラノでは武器になるかもしれない。

 4連覇を目指して世界選手権に臨んだ女子シングルの坂本花織は、ショートプログラム5位から巻き返して銀メダルを勝ち取る健闘をみせたものの、惜しくも2位となった。女子を制したのは、母国開催ならではの大声援を受けて好演技をみせたアメリカ代表のアリサ・リウである。

 リウは北京五輪の約1カ月後に行われた2022年世界選手権で銅メダルを獲得した2週間後に引退したが、今季から再び競技会に戻ってきた。天才少女として名高かったリウは、史上最年少の13歳で2019年全米選手権を制した当時はトリプルアクセルを武器にしており、14歳で4回転ルッツも成功させた。しかし今大会では大技には挑んでおらず、確実に演技をまとめて頂点に立った。トリプルアクセルも復帰後の練習で成功していることを明らかにしており、リウは一気にミラノ五輪のメダリスト候補に浮上したといえる。

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