
高低差はポンプで圧送
全国の市町村で最も高い北海道夕張市は、使用料金月6966円だ。夕張市上下水道課の担当者はこう話す。
「山間部で高低差がありますので、ポンプで圧送するために多くの施設を経由して水を送っています。管路は200キロ以上と長く、必然的に料金が高くなります」
22年度の上水道管の更新率はまさかの0%だ。
「夕張市は財政再生団体です。国の管理下に置かれていますから、水道管の更新にお金が使えません。漏水が起きたら、修繕します」(夕張市の担当者)
どれだけ水道管が劣化しているのかと思いきや、漏水は年に40〜50件ほどにとどまるという。実は22年度の老朽化率は22.4%で全国平均並みだ。
「お金があった昭和、平成の段階で、全てではありませんが水道管を更新していました」(夕張市の担当者)
ただ、将来的には水道管を更新しなければならない。最盛期に人口10万人規模だった当時のインフラを、人口6千人が支える。
この構図は人口減少に直面するほとんどの自治体が抱える問題だ。前出の浦上教授は言う。
「どれだけ水道管を更新しても、大地震が起きれば壊れてしまいます。能登半島地震による断水の解消にはおよそ5カ月かかりました。人が少なくなった地域では、浄水場から直接水を送るのではなく、集落の貯水タンクにトラックで水を運び、タンクから世帯に水を送る『分散型水道』の導入が検討されています。水道システムをどう維持していくか、どのような水道技術を開発するか、これから全国的な議論になると思います」
(編集部・井上有紀子)
※AERA 2025年4月7日号より抜粋