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 全国各地で値上げが起こっている水道料金。市町村単位で見てみると、ほとんどの自治体が抱える共通の課題があるようだ。AERA2025年4月7日号より。

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 市町村単位での水道料金を見てみよう。全国一安いのが兵庫県赤穂市だ。20立方メートルの使用料金は月869円だ。最も高い北海道夕張市と比べて、料金は実に8倍の差がある。水道事業に詳しい近畿大学の浦上拓也教授は言う。

「水源が非常にきれいで、高低差を利用して水を送ることができ、人口密度も高めで、奇跡的に効率的な配水システムが作れた、きわめて恵まれた環境です」

 だが水道管の老朽化が深刻だ。22年度の水道管の老朽化率は41.1%。23年度の漏水件数は48件だ。

 赤穂市も値上げの波から逃れられない。赤穂市上下水道部総務課の担当者は言う。

「このままだと約10年後には現金がなくなります」

 これまで水道事業は黒字決算だったが、24年度の当初予算は8千万円の赤字を見込む。「専門家や市民の方が参加する委員会で、いま値上げが検討されています」(赤穂市の担当者)

 一方、水道料金が高い地域の水道管の安全性はどうだろう。

 20立方メートルの平均使用料金が最も高い青森県。津軽地方の中泊町は、全国で7番目に高い。使用料金は月6017円と高いが、水道管の老朽化率は0.9%だ。中泊町上下水道課の担当者は言う。

「全国的に見ると料金水準が高いですが、04年までに既に大規模な老朽管の更新工事を終えているため、今後、急を要する工事はなく、支出の多くは経常経費に抑えられる見込みです。このため、現段階で水道料金の値上げは考えていません」

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