が、ヤフーやラインなどのサービスとの有機的な結合は途上で、スーパーアプリにはまだなっていない。
そうしたなかで、昨年11月から、公正取引委員会は、ニュース配信の分野で反競争的な不公正がないか、ヤフーを標的とした大規模な調査を始めている。
文庫の新章では、そうした調査がなぜ、今行われているかを、世界的な独占禁止法の解釈の変更という流れのなかで書いている。
ネオ・ブランダイス学派という独占禁止法の新思潮を主張する研究者がバイデン政権で、規制当局入りした。そうした世界的流れのなかで起こっているできごとだが、日本の新聞各社がどう行動しているかなど、あとは、文庫で──。
下山 進(しもやま・すすむ)/ ノンフィクション作家・上智大学新聞学科非常勤講師。メディア業界の構造変化や興廃を、綿密な取材をもとに鮮やかに描き、メディアのあるべき姿について発信してきた。他の著書に『アルツハイマー征服』(KADOKAWA)など。
※週刊朝日 2023年4月28日号