
国会は石破茂首相の商品券配布問題で紛糾を続けている。2025年度予算は何とか年度内成立にこぎつけたものの、内閣支持率は、石破政権発足以来最低水準に沈み、すぐに回復する見込みはない。
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国民がこれだけ怒っているのだから、野党が結束して内閣不信任案を提出し、これを可決すればよいと思う人は多いのではないか。可決されれば、憲法69条の規定により、石破首相は内閣総辞職か衆議院解散かという決断を迫られる。もちろん、自民党は、今解散されたら昨秋の衆議院選を上回る大敗を喫する可能性があるので、石破首相を羽交い締めしてでも解散を封じ、総辞職の道を選ばせるだろう。
その後、新総裁を選び、国会で新首相として選任されるように動くことになるが、与党は衆議院では過半数割れなので、野党が結束して、例えば立憲民主党の野田佳彦代表を統一候補として推せば、政権交代になりうる。
しかし、先週の本コラムで指摘したとおり、今解散すると、自民の議席減の分を国民民主党とれいわ新選組が吸収する一方、立憲は、支持率低迷で議席が増えず、野党の中での相対的地位が下がる可能性が高いため、不信任案を出すことには消極的だ。
自民党内での石破おろしの動きも野党の不信任案が出なければ、決め手に欠け、当面は本格化することはなさそうだ。結局は、自公少数与党政権が続く。
その後の自民党の作戦は、夏の参議院選での敗北を最小限のものにとどめ、少数与党のまま、国民民主や日本維新の会などを取り込み秋以降の政局を乗り切るというものになる。参議院選の結果次第では、石破おろしで新首相ということになる可能性はあるが、基本戦略は同じだ。
その場合、忘れてならないのが、自民党はこれまで政権を失うことはあったが、そのたびに「自民党は終わった」と言われながらも不死鳥の如く蘇り、気づいてみれば、再び政権党に返り咲いてきたことだ。
その復活劇を可能にしたのが、企業・団体による巨額献金である。これまでこのコラムで何回も指摘してきたことだが、これこそ自民党の力の源泉である。だからこそ、何があってもこれを禁止することに反対するのだ。先週の本コラムで「自民党の金権体質が『自民党を自民党たらしめる』根源的DNA」だと書いたのはまさにそのことを意味する。
現在、その自民党の命脈が絶たれるかどうかという議論が行われている。企業・団体献金の規制をどうするかという話だ。
細かい点を省略して状況を整理すると、自民党は、企業・団体献金の禁止には反対で、「禁止より公開」と唱え、政党ごとに企業・団体から受けた寄付の総額と、年間1000万円を超える寄付をした企業・団体の名称や金額を毎年公表するという法案を提出している。しかし、この法案で公表対象となる自民の政党支部は全体の5.6%にとどまることが判明し、禁止どころか公開とも言えない「とんでも法案」だという批判を浴びている。