
ドジャースとカブスのMLB(米大リーグ機構)開幕戦が3月18日に東京で開催され、歴史的な一戦になった。ドジャースの大谷翔平、山本由伸、カブスの鈴木誠也、今永昇太と4人の日本人メジャーリーガーが出場。日本人投手が史上初めてメジャーリーグの開幕戦で投げ合った。19日の開幕2戦目は佐々木朗希がドジャースの先発マウンドに上がった。
【写真】メジャー公式球は伸びる? ドジャース戦で本塁打放った阪神・佐藤輝明
そのメジャー開幕戦の前に、来日したドジャース、カブス両軍は15、16の両日、巨人、阪神と対戦するプレシーズンゲームを行った。その試合後、メジャーの選手たちから気になる話が出ていたという。両球団を取材するスポーツライターが明かす。
「メジャーの一部の選手たちの間で、NPB(日本野球機構)の公式球が飛ばないことがロッカー裏で話題になっていたそうです。『日本のボールは全然飛ばない』と苦笑いしていた選手もいたといいます。実際にプレーした選手の発言だったので、興味深かったですね」
今回のプレシーズンゲームでは、MLB、NPBそれぞれの公式球が使われた。投手が使い慣れたボールで違和感なく投げられることを考慮し、阪神、巨人が守備の時は日本のNPB公式球、ドジャース、カブスが守備の時はメジャーのMLB公式球が使われた。打者の立場からいうと、メジャーの選手たちが日本の公式球、日本の選手たちがメジャーの公式球を打つことになった。
普段と違うボールを打つことで、違和感を覚えたのかもしれない。メジャーの一部の選手は、打った後に外野で失速してフライアウトになるのを見届けると、首をかしげていた。
「普段メジャーの試合を見ているので、打ったときの印象より飛距離が出ないとは感じましたね。カブスと阪神の試合で、4回の鈴木誠也の打席が象徴的でした。完璧に捉えた打球がセンターに飛んだので、フェンスに届くだろうと見ていたら急失速して中飛になりました。MLB公式球ならセンターの頭を間違いなく超えていたでしょう。実際にMLBの公式データサイト『ベースボール・サバント』では、鈴木の打球の初速は111.7マイル(約179.7キロ)、角度20度で、凡打確率は3%という数値が出ていました」(メジャーリーグを取材するスポーツ紙記者)