
(遺族の許可を得て提供)
先週に多く読まれた記事の「見逃し配信」です。ぜひ御覧ください(この記事は「AERA dot.」で2025年3月2日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。
【写真】防護服を着て部屋の中で山積みになった生活ゴミを片付ける
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「特殊清掃」という仕事をご存じだろうか。孤独死や自殺などの現場を特殊な技術で清掃する仕事で、手がける業者は2013年からの5年間で15倍以上と急増。多死社会を迎えているいま、さらに増えていると推測されている。日本少額短期保険協会が昨年12月に公表した「孤独死現状レポート」によると、孤独死の発生から発見までの平均日数は18日で、平均損害額は100万円超。その内訳は室内の清掃や残置物の処分、原状回復の費用などだ。特殊清掃のパイオニアといわれるグッドベア株式会社の社長・宮田昌次さんに話を聞いた。現場はどういう様子なのか。
宮田さんが特殊清掃を始めた30年ほど前はそれほど需要もなかったという。
「特殊清掃は、『事故物件』という言葉とともに広まり、認知され始めたのはここ17年くらいかと思います」
忘れられない現場はどういうものなのだろうか。
「10代の母親が子どもを放置死させた現場です」
「ゴミの臭いがする」
管理会社から「ゴミの臭いがする」と依頼を受け、現場に行くとすぐにわかった。
「これ、ゴミの臭いじゃないです。遺体の臭いです」
部屋の奥まで進むと、子どもの足が見えた。遺体は黒ずみ、ガスがたまったおなかは膨らんでいたという。3、4歳の子どもだった。
「喉が渇いていたのでしょう。プラスチックのコップがあって。お母さんの洋服にくるまるような姿で亡くなっていました。近くにはウルトラマンの玩具がありました。あの現場は切なかった」