Mr.Childrenの桜井和寿(c)ap bank

このフェスならではのセトリでライブを行ったMr.Children

 ドラァグクイーン、車椅子ダンサーなどによる「東京QQQ」のパフォーマンスを楽しんだ後は、Mr.Childrenのステージ。「擬態」「海にて、心は裸になりたがる」「HANABI」を披露し、会場を一つにしていく。

「このフェスに、この会場にふさわしい曲を選んできました。近頃は社会の中、暮らしの中で、このままではどうなってしまうんだろうかと不安になることが多いですが、いやいや、そうじゃなくて僕らが望んでいた未来、希望はもうすぐなんだ。そんな願いを込めてこの歌をお届けしたいと思います」(桜井)という言葉から始まったのは、「Brand new planet」。最後に代表曲の一つ「HERO」、さらに小林武史を呼び込み、「彩り」を披露。“日々のなんでもない作業が、誰かの笑顔を作る”という思いを込めた楽曲が共有されるシーンもまた、今回のap bank fesのハイライトだった。

Mr.Childrenの田原健一(c)ap bank
Mr.Childrenの中川敬輔(c)ap bank
Mr.Childrenの鈴木英哉(c)ap bank

 2つ目の映像「Break2 / Movie ~ 空になって」のテーマは、人間の進化。“共感と敵”を中心のテーマに据え、今も世界中で続く戦争や紛争にも触れる映像の後は、再びBank Bandのステージへ。櫻井、Salyuのボーカルが重なり合う「MESSAGE -メッセージ-」を披露。

2月15日、16日と2日とも登場したSalyu(c)ap bank

Superfly、JUJU、宮本浩次が熱唱

 そしてここからは、日本の音楽シーンを代表するシンガーが続々と登場。ダイナミックな歌声を響かせたSuperfly、櫻井との「くるみ」のデュエットを含め、切なくも美しいボーカルを聴かせたJUJU、エレファントカシマシの名曲から“宮本浩次×櫻井和寿”の「東京協奏曲」までを生々しく歌い上げた宮本浩次。凄腕ミュージシャンたちの素晴らしい演奏を含め、この国のポップミュージックの懐の深さを実感できる時間が続いた。

Superfly(c)ap bank
JUJU(c)ap bank
宮本浩次(c)ap bank

 最後は櫻井がメインボーカルをつとめ、ap bank fesにも何度も出演したKAN(’23年に逝去)の「50年後も」、さらに「奏逢 ~Bank Bandのテーマ~」「to U」(w/Salyu)とこのフェスから生まれた名曲を奏でる。最後は新曲「カラ」。〈ただ「ともにある」「あなたとある」/関わり合って生きている/誰もが皆〉というフレーズを持ったこの曲を櫻井、Salyu、milet、上白石が声を合わせて歌い、イベントはエンディングを迎えた。

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このフェスが掲げる理念とは