ドラマー・玉田豊夢の即興演奏、アオイツキ(アオイヤマダ、高村月によるポエトリーダンスユニット)によるパフォーマンス(c)ap bank

 音楽だけではなく、さまざまなアートやパフォーマンスが体感できるのが「ap bank fes」の特徴だ。オープニングは、SIDE CORE(松下徹、高須咲恵、西広太志によるアーティストユニット。映像ディレクターは播本和宜)による近未来の都市を想起させる映像、そして、ドラマー・玉田豊夢の即興演奏、アオイツキ(アオイヤマダ、高村月によるポエトリーダンスユニット)によるパフォーマンス。“都市で開催するap bank fes”のイメージとつながるステージによって、イベントは幕を開けた。

若い世代に人気のバンドも登場

 トップバッターは、”Band Act”のSaucy Dog。さらにラッパーのmaco maretsのステージを挟み、マカロニえんぴつが登場。どちらも10代~20代を中心に人気を得ているバンドで、ap bank fes初登場となったこの日も、若いオーディエンスから大きな声援を集めていた。

”Band Act”としてトップバッターをつとめたSaucy Dog(c)ap bank
Saucy Dogの石原 慎也(Vo/Gt )(c)ap bank
”Band Act”として登場したマカロニえんぴつ(c)ap bank
マカロニえんぴつのはっとり(Vo/Gt)(c)ap bank

 休憩時間を挟み、スクリーンに映されたのは「Break1 / Movie ~ 殻を破って」と題された映像。AI(人工知能)がメッセンジャーとなり、都市と自然、過去と未来、幸福と欲望といった根源的なテーマを、トルストイの言葉、Mr.Childrenや井上陽水の歌詞を引用しながら提示する内容だ。最後に“機械は考えられるようになった。人間は何ができる?”と問いかけ、Bank Bandのステージへ。櫻井和寿のボーカルで披露された楽曲「forgive」の〈自分を許して/次の未来へと〉というフレーズは、映像「Break1 / Movie ~ 殻を破って」の内容と相まって、さらに強いメッセージを放っていた。

上白井萌音、miletがBank Bandと共演

 多彩なボーカリストが登場し、Bank Bandとともに豪華な共演を繰り広げるのも、ap bank fesの見どころ。この日はまず上白井萌音、miletが個性溢れる歌声を響かせた。05年のスタートから今年で20年目を迎えたap bank fes。若い世代のアーティストの出演は、フェスの理念を下の世代に伝えるという意味合いもあったように思う。

上白石萌音(c)ap bank
milet(c)ap bank
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会場を一つにしたMr.Children