中野友加里さん(撮影/写真映像部・佐藤創紀)

「完璧主義者」ゆえの悩み

 いろいろなスポーツの奥深さを知っていくうちに、入社時は「もうスケートには関わるものか」と思っていた気持ちが、徐々に「仕事としてスケートに関わりたい」と変化していった。

 中継やニュースも含め、スケートを仕事にするのであれば、年々変わっていくルールを把握しておかなければいけない。ルールを一番に学べるところ……と考えたときに、審判が一番ルールに近いと考えた。選手で実績を残していると、始めから国内地方大会で審判ができるT級の資格を取得できる。2013年に資格を取得したが、上級の資格を取得するのには試合数をこなさないといけない。当時、仕事で多忙だった中野さんはなかなか試合会場には足を運べなかった。

「名前だけ登録して、勉強はしてるんですけど、試合にはいけない……幽霊部員みたいな感じでしたね(笑)」

 私生活では15年に結婚し、16年に長男を出産。18年には第2子を出産した。そのままフジテレビで仕事を続けるか考えた末、中野さんは大好きだった仕事から離れる決断をした。

「最初は『子どもが生まれてからも絶対に働き続けるぞ!』と思っていたんですが、いざ1人目が生まれて、保育園にあずけて職場復帰してみると、思うようにいきませんでした。子どもがすぐ熱を出すということもあるし、時短で働いていると、その分の仕事しかこなせない。2人目が産まれるとますます時間が無くなりました。今でこそいろいろな制度が整ってきていますが、当時はまだ待機児童の数もすごく多い時期でした。2人を預けて働くのはちょっと現実的じゃないな、と思って、それなら退職して、お声がけいただいていた解説や講演の仕事などを単発で受けながら子育てをしよう、とその道を選びました」

 子どもたちは現在8歳と6歳になった。中野さんは努力、練習を欠かさなかった完璧主義者タイプゆえ、なかなか勉強をしなかったり、取り組みがのんびりしている子どもたちを見るともどかしくなったりもするという。

次のページ
ダイエットの辛さは娘に経験させたくない