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円安や物価高、学費の高騰によって「留学」のハードルが高くなるなか、留学先に「マレーシア」の大学を選ぶ若者が増えている。大学入試シーズンは問い合わせが増えるという。マレーシアの大学の、いったい何が魅力なのか。
【写真多数】東大並みの評価も! 「神コスパ」マレーシアの大学の様子
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評価が高く留学費用が安い
マレーシア・サンウェイ大学3年生の佐原冬馬さん(23)は留学を決めた理由を、こう話す。
「マレーシアの大学は世界的に評価が高いうえ、留学費用が安い。まだ日本人留学生が少ないので、就職する際にも企業から興味を持ってもらえると思いました」
海外の大学への留学は高校時代からの夢だった。
佐原さんは2021年にマレーシアの首都クアラルンプール近郊にあるサンウェイ大学に入学した。卒業時に英国・ランカスター大学の学位も同時に取得できる「ダブルディグリープログラム」も魅力だった。
「最初は欧米の大学を検討したのですが、学費がすごく高い。知り合いの子がタイの大学に留学したことを両親から聞き、東南アジアの大学に目が向いたんです」
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東大と並ぶ大学も
近年、学位取得目的でマレーシアの大学に進学する日本人が増えている。
一社・海外留学協議会(JAOS)は、こう話す。
「費用が安いフィリピン、マレーシア、台湾などへの留学生が増えています。特にマレーシアへの留学は大学学部留学の割合が高いのが特徴です」
JAOSが留学業者40社を対象に行った調査によると、23年の日本人留学生の総数は6万6007人。その多くは3カ月未満の語学留学で4万8704人。大学での学位(学士)取得を目的とした留学生は736人。国別では米国311人、豪州195人、マレーシアは3番目に多い101人だった。
留学あっせんを行う「マレーシア留学サポートセンター」(東京)の代表・斉藤高志さんによると、同国への大学留学が増え始めたのは17年ごろから。最大の理由は留学費用の安さだ。
今でも米国留学は人気だが、学費の比較的安い州立大学でも住居費、食費などを合わせると4年間で1千万円以上かかる。ハーバード大学のような有名私立大なら4千万円はざらだ。
対して、マレーシアの大学の学費は年間約40万円(国立)~約180万円(私立)。
「住まいは学生寮やシェアハウスが一般的で、月平均約3万円。食費は1食400円程度なので、生活費は月7万円もあれば十分です」(斉藤さん)
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