バスケットボールの試合を観戦する大谷翔平と妻の真美子さん(USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

「しっかり人生設計していたのでは」

 野球漬けの日々は大谷と共通していても、元「侍ジャパン」選手は大谷と佐々木の性格は違うと語る。

「大谷さんと似ていると言われますけど、僕は違うと思いますね。大谷さんは根が明るい。影響力のある選手なのでメディアの前ではきっちりしていますが、選手たちの前では野球少年がそのまま大人になったような印象です。朗希は物静かであまり自分から発信しない。最初はちょっと壁を感じますが、時間が経つと毒舌でいじってきたりする。結婚はびっくりしましたね。なんでもやることが早い。賢い選手だから、しっかり人生設計した上で結婚するタイミングを考えていたのだと思います」

 佐々木は今年、異国の地で新たな舞台に挑むことになる。伴侶がそばにいることは、精神的な安らぎを得られて大きなプラスになるだろう。大谷は昨年2月に真美子夫人との結婚を発表し、ドジャース移籍1年目でメジャー史上初の50本塁打&50盗塁を達成して自身初のワールドチャンピオンを経験した。

 かつてメジャーリーガーの通訳をしていた関係者は、「日本と違って言葉が思うように通じないので、1人でいると気分がふさぎ込みがちになりやすい。佐々木は結婚したことで精神的に楽になるでしょうし、食事面などでサポートを得られるのは心強いでしょう」とメリットを強調する。

メディアの前に出る義務はない

 メジャーの各球団では選手たちの妻たちが集まる「奥様会」の存在が知られている。コミュニケ―ションを取り合う懇親会のほか、チャリティー活動やイベントを企画することもある。大谷夫人の真美子さんもドジャースの「奥様会」に参加していたが、佐々木の妻も参加するだろうか。

 米国に駐在する通信員は「日本で誤解されている部分があります」と指摘する。

「奥様会に出ると公に顔を出すように思われていますが、メディアの写真撮影に出る義務はありません。実際に松井秀喜さんや黒田博樹さんがメジャーで活躍していた時、奥さんはメディアの前に出ていません。佐々木が結婚相手の名前や顔を公表したくないなら尊重されるべきですし、禁止されている自宅取材は迷惑行為です。メディアは節度を守って取材しなければいけません」

 生涯の伴侶を得た佐々木が、米国で充実した人生を送ることを願うばかりだ。

(今川秀悟)

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼