相川七瀬さん(撮影/工藤隆太郎)
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 1995年に「夢見る少女じゃいられない」でデビューし、ロック歌手として一時代を築いた相川七瀬さん(50)。今年でデビュー30年を迎えるが、現在は國學院大学大学院で学ぶ学生でもあり、また、3児の子どもを育てる母としての顔も持つ。【前編】では歌手生活と子育ての両立や大ファンだという横浜DeNAベイスターズへの思いなどを語ってもらったが、【後編】では40代の学生として通う國學院大學での生活、箱根駅伝にも出場した陸上部を応援する思いなどを聞いた。

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※【前編】<人気絶頂で結婚した「相川七瀬」が50歳で振り返る「ロック歌手が家庭を持つ」という選択 「キャリアが終わっていくような気持ちがあった」>より続く

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 相川さんはアーティストとして活動するかたわら、2020年に國學院大學神道文化学部に入学した。高校を中退して上京した相川さんは「いつか高卒認定試験を受けたい」という思いがあったが、20代、30代のころは子育てもありなかなか踏み切れなかったという。だが40歳になる直前、子どもたちがみんな受験勉強に励んでいたことを機に「一緒に勉強しよう」と決断。高卒認定試験のための勉強を始めた。そんなとき、國學院大學の社会人向けの講座を見つけ、科目履修生として2年通ったことが、大学入学のきっかけになったという。

「神道文化学部の講義を聞いていたんですが『この学部はずっとこんな話を聞いてるのか! 全部面白い!』と思って、この学部を目指そうかなという気持ちが芽生えました」

 社会人向けの夜間に通うという選択肢もあったが、まだ子どもが小さい以上、通うなら昼にしようと決めた。末っ子の学校生活が軌道に乗るであろう、20年の入学をターゲットに受験勉強に取り組んだ。とはいえ、「勉強は全然好きじゃないんです」と相川さんは笑う。

「どうしても『学び』というとみんな『勉強』をイメージするんですが、私は『勉強』をするために大学に入ったわけじゃないと思っています。自分の興味のある祭りや神道、神社っていうところを入り口にして、『自分の知らないことをいっぱい教えてくれる世界に飛び込んだ』という感覚でした。それでも試験などでは暗記を含めた『勉強』をしなきゃいけないときもあって、それはやっぱりつらかった。『なんでこんなこと覚えなきゃいけないんだ』とか『漢字が難しすぎる』とか(笑)。でもそういうのも含めて全部楽しんでやれたんじゃないかなとは思います」

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大学では20歳以上年の離れた友達も