平林清澄選手の優勝祝賀会での一枚(事務所提供)

駅伝で母校「國學院大學」を応援

「今年の箱根駅伝も現地で観戦しました。往路は1区と5区、復路は6区と10区で見ました。現地に行くと、テレビに映っていない選手と、その周りの人たちとの物語が見えて、それに感動しますね。たとえば、5区ではケガで去年走れなくて悔しい思いをして、卒業を1年延ばしてまで今年走った中大の園木大斗選手のことを、仲間が沿道に来て必死になって応援している姿は、胸に来るものがありました。これこそ、学生駅伝の醍醐味(だいごみ)というか、青春だな、と思いました」

 1年生から見ている選手たちが上級生になり、頼もしい顔つきになっていくのを見るのも楽しみだという。

「國學院でいうと、青木瑠郁選手や上原琉翔選手なんて本当に入ってきた時は“少年”という感じだったのに、いつの間にかキリリとした顔つきになったなと思います。あと、私にとっては、今回5区を走って悔しい思いをした高山豪起選手は特別な思いがあります。1年生のときの8区が箱根デビューだったんですが、私は茅ケ崎の沿道で応援していました。そのときの結果は区間13位。悔しいデビュー戦だったと思いますが、一昨年は10区アンカーで、今回初めての山登りに臨んだ。山では区間14位と苦しい戦いだったけど、芦ノ湖のゴールで結果に悔し涙を流した彼の姿に、次のシーズンを見た気がしました。彼の経験値がマックスになる4年生は、どの区間を任されても走れるぐらいの選手になれるんじゃないかと期待を寄せています。また、4年間目指してきたけれど走れなかった選手も含めて、学生スポーツならではの『ここにしかない』『二度とない』瞬間のドラマにめちゃくちゃ共感しますね」

 大学を卒業した相川さんは、24年4月からは國學院大學大学院に進学した。「祭り」をつくってきた氏子などの地域コミュニティーが現代社会によってどのように崩壊し、継続や再生をしていくかをテーマに研究に取り組んでいる。

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大学院での学びは「修士の先」も目指したい