
次男はドラムで世界的ギタリストとも共演
しかし、アーティストとしての活動を優先すれば、長期間のツアーで家を空けることもあり、リハーサルやレコーディングにも多大な時間を割かなければならない。その間は子どもから離れることになるが、相川さんにとってそれは現実的な選択ではなかった。「子どもを産んだら、まずは子育てに専念せざるを得ない感覚があった」と話す相川さんだが、子どもを持ったことで今までの視点がガラリと変わったという。
「子どもがいることで音楽活動に対する姿勢もすごく変わりましたね。24時間自分のために使うことは当然できないので、逆に音楽に向かい合う時間をすごく大切にするようになりました。一方で、音楽業界しか知らなかった自分が、子どもを通じて色々な人と出会うことが出来て、違う世界をたくさん見せてもらいました。その経験は人生の財産だし、子どもに楽しい時間をたくさんもらったと思っています」
そして、時代とともに女性が働く家庭が増え、世間の意識も変化してきたことで、歌手活動との両立もしやすくなっていった。
「3人目を産んだ後、35歳ぐらいから『子どもがいること』に興味を持ってもらえるようになりました。テレビ局でも、1人目のときはなんとなく『連れていけない』という雰囲気だったのが、3人目のときは『連れてきていいですよ』と言ってもらって、スタッフの方が面倒を見てくださったりと、明らかに環境が、社会が変わったのを肌で感じました。本当にいい時代になったなと思います」
次男のRIOくんは、現在17歳。3歳のころからドラムを始め、プロドラマーを目指しているという。23年4月25日には、プロ野球DeNA戦(横浜スタジアム)の後のスペシャルライブで、世界的ギタリストのマーティ・フリードマンとも共演している。RIOくんだけでなく、家族みんなが音楽好きで、音楽の話はよくしているという。
「一緒によくライブに行ったりもしますよ。『今こういうのがはやってるよ』と教えてもらって、一緒に曲を聴いています。そうすると私も今のトレンドを知ることができるし、子どもたちとも共通の話題ができる。『今度このアーティストのライブに行きたいよね』と話して、発売日にチケットを取ったりもしています。去年一番良かったのは、9月に横浜であったback numberと優里の対バンですね。もともと家族みんなで優里くんのファンなのですが、back numberも本当に世界観が素晴らしかった。歌う前のMCも良くて、子どもたちと涙流しながらライブを見ていました」