今年50歳を迎えた相川七瀬さん(撮影/工藤隆太郎)
この記事の写真をすべて見る

 1995年に「夢見る少女じゃいられない」でデビューし、ロック歌手として一時代を築いた相川七瀬さん(50)。今年でデビュー30年を迎えるが、現在は國學院大學大学院で学ぶ学生でもあり、また、3児の子どもを育てる母としての顔も持つ。そんな「三刀流」の生活を送る相川さんに、ロック歌手と母親との両立や大ファンだという横浜DeNAベイスターズへの思いなどを聞いた。

【写真】プロドラマーを目指す次男らとの親子ショットはこちら

*  *  *

 相川さんは20歳でデビュー曲「夢見る少女じゃいられない」がいきなり36万8000枚のセールスを記録し、日本の音楽シーンに彗星(すいせい)のごとく現れた。翌年にリリースしたファーストアルバム「Red」は270万枚以上を売り上げ、5枚目のシングル「恋心」もミリオンセラーに。同年の「NHK紅白歌合戦」にも出場した。今年でデビュー30年。相川さん自身も50歳を迎える節目の年となるが、いまだ変わらぬパワフルな歌声を保っている。その裏では、やはり人知れず努力を続けてきたようだ。

「一般的に、年齢とともにだんだんと声が出にくくなるようですが、私はまだ原曲のキーを下げずにここまでこれているんです。年を重ねるとパワーだけの発声では難しくなるので、筋トレや有酸素運動などをして、以前と同じだけの力を維持できるようにトレーニングしています。歌はメンタルがすごく影響するのですが、体を鍛えていると、メンタルに左右されることが少なくなったなと感じています。20代のころはメンタルが歌に出てしまうことが多かったですが、それがなくなり『身体が心をつくる』という感覚があるので、運動は欠かさないように心がけています」

 長く歌手生活を続けるなかでメンタルが安定してきたのは、私生活での変化も影響しているかもしれない。

 相川さんは2001年に結婚し、同年9月に第1子の長男、07年9月に第2子の次男、12年9月に第3子の長女を出産している。結婚・出産をしたのは人気絶頂期だった26歳のとき。喜ばしい出来事でもある一方、仕事面では今までのように働けなくなることもあり、そのことに対して葛藤もあったようだ。

「2000年代はじめのころはまだ、子どもを持ちながら仕事できるような状況ではなかったので、キャリアが終わっていくような気持ちもありました。今みたいに子どもがいながら活躍しているタレントや歌手の方は少なかったですしね。」

次のページ
次男は3歳からドラムを始めプロを目指す