統計分析による今季の成績予想を見てみよう。約31万人もの過去・現役選手のデータをもとにしたZiPSシステムによると、打者・大谷は152試合で打率.290、45本塁打、42盗塁を記録すると算出されている。投球に労力を割かなくてはならない分、DHとしては出場が減るだろう。盗塁もリスクがあるので、慎重にならざるを得ない。それでも、メジャー史上6人しか達成していない「40-40」をクリアすると予想されているのだからすごい。

 投手としては、復帰時期によって大きく変動する可能性があるが、17試合に先発し、投球回100と3分の1、7勝4敗、防御率3.77という予想が出ている。こちらもエンゼルス時代の成績には届かない見通しだ。

 復帰直後から以前のようなエース級のピッチングは求められないだろうが、いつまでも調子が上がらず、平凡なピッチングしかできない状況が続けば、投手としての起用を再考する可能性も出てくるかもしれない。今季、あるいは来季は二刀流にとって勝負の時期となるかもしれない。

 ZiPSのWAR(選手の総合的な貢献度)予想では、大谷はヤンキースのアーロン・ジャッジと並びMLBトップ。ナショナル・リーグMVPのブックメーカー予想でも、大谷が圧倒的な1位に挙げられている。健康を維持できれば、今季もメジャー屈指の選手であることは間違いない。(在米ジャーナリスト・志村朋哉)

AERA 2025年2月24日号より抜粋

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