いよいよ2025年のJリーグ開幕が迫ってきた。今季も20チームで争われるJ1は2月14日~16日に開幕節が行われ、12月6日の最終節まで全38節にわたる長丁場の戦いが繰り広げられる。その幕開けを前に、J1全クラブの「今オフの補強」を査定して5段階(良い方からA・B・C・D・E)で評価したい。今回は横浜FM、横浜FC、湘南、新潟、清水、名古屋編。
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■横浜F・マリノス「E」
新たに西野努氏を強化責任者となるSDとして招聘し、元イングランド代表コーチのスティーブ・ホーランド監督を迎えた。この体制変化の影響があってか、ストーブリーグ突入から退団者が続出。エースFWアンデルソン・ロペスは何とか残留したが、西村拓真、畠中槙之輔、小池龍太、エドゥアルド、水沼宏太と2019年、2022年のリーグ優勝に貢献した面々たちが次々と他クラブへと移籍した。
上島拓巳も退団したことで一時は極端なCB不足になったが、そこからコロンビア人のジェイソン・キニョーネス(←アギラス・ドラダス)とオーストラリア代表のトーマス・デン(←新潟)の獲得。さらにGK朴一圭(←鳥栖)、DF鈴木冬一(←京都)、FW遠野大弥(←川崎)、そしてベルギーでプレーしていたインドネシア代表のDFサンディ・ウォルシュ(←KVメヘレン)らを獲得した。アカデミー育ちで5年ぶりの復帰となるMF松田詠太郎(←新潟)にも期待したいが、トータルとして戦力アップしたかどうか。その以前にあまりにも選手の入れ替わりが激しい。過去、他クラブでこのような事例を見てきたが、多くが失敗に終わっているだけに心配だ。
■横浜FC「E」
就任4年目となる四方田修平監督の下、再びJ1舞台での挑戦を始める。新戦力も多く、J2で注目の存在となっていた技巧派左SB新保海鈴(←山口)、右サイドのDF鈴木準弥(←町田)、そしてCBとして山﨑浩介(←鳥栖)、伊藤槙人(←磐田)とJ1経験者を獲得し、経験豊富なボランチとしてMF駒井善成(←札幌)、昨季途中から復活の兆しを見せたFW鈴木武蔵(←G大阪)も加えた。
だがその新加入の面々よりも、他クラブから引き抜かれる形で退団したDFガブリエウ、MFカプリーニ、MF井上潮音、FW高橋利樹と昨季のJ1昇格に大きく貢献した面々の名前が目立つ。その4人で“踏み止めた”とも言えるが、現状での戦力収支はマイナス。J1昇格の勢いを戦力補強でさらに加速させたいところだったが、現状では苦しい場所からのスタートを強いられる。現有戦力も他のJ1クラブと比べると見劣りすることは間違いなく、四方田監督の手腕とJ2ではリーグ最少失点だった堅守がどこまでJ1相手に保つことができるだろうか。