■清水エスパルス「C」
“熱血”秋葉忠宏監督の下、J2優勝を飾って3年ぶりにJ1復帰を果たした。そのチームからGK権田修一、右SBの原輝綺、右WGのルーカス・ブラガ、ボランチの中村亮太朗らが退団。選手層が厚く、代わりの戦力がいるとはいえ、昨季のレギュラー陣の退団はマイナスになる。
その代わりにJ2屈指のボランチだった弓場将輝(←大分)、迫力満点の縦突破が魅力のカピシャーバ(←C大阪)、鋭い左足を持つMF中原輝(←鳥栖)、さらに新外国人FWとしてアフメド・アフメドフ(←スパルタク・ヴァルナ)らを獲得。その他、ブラジル人MFマテウス・ブエノ(←グアラニ)、韓国帰りの司令塔MF小塚和季(←ソウルイーランド)などを加えた。
特に現役ブルガリア代表のアフメドフへの期待は大きく、額面通りの働きをできれば、攻撃の幅と迫力が大きくアップする。新加入選手の面子だけを見れば「B」評価にしたいが、現段階では退団者によるマイナス面も気になる。
■名古屋グランパス「A」
長谷川健太体制4年目を迎え、昨季のルヴァン杯に続くタイトル獲得が目標となる。GKランゲラックとの“お別れ”は辛かったが、その他の退団者である倍井謙、久保藤次郎、パトリックらは戦力整理の範疇であり、マイナスにはならないだろう。
その上で新守護神として実績十分の元日本代表GKシュミット・ダニエル(ゲント)を獲得し、層が薄かったCB陣に佐藤瑶大(←浦和)、宮大樹(←福岡)を加え、マルチロールのDF原輝綺(←清水)、スピードと強力な左足を持つMF浅野雄也(←札幌)と即戦力となる実力者たちを獲得した。
さらに、2019年から2023年夏までの4年半でリーグ戦32得点をマークして“悪魔の左足”としてJリーグ震撼させた元エースのマテウス・カストロ(←アル・タアーウン)を獲得。コンディションが気になるが、現在30歳でまだまだ働き盛りで期待は大きい。GKシュミット・ダニエルがトレーニングキャンプ中に右ヒザ内側半月板損傷によって長期離脱になったことは誤算だが、フィールド選手たちの陣容は充実。リーグ戦11位に終わった昨季のような戦いは許されないスカッドとなっている。
(文・三和直樹)