■湘南ベルマーレ「D」
昨季もJ1残留争いの中で踏み止まり、今季で山口智監督体制5年目を迎える。大きなマイナスは、アンカー役として絶大な存在感を放ち、チームの心臓だったMF田中聡が広島に移籍したこと。この影響は非常に大きいだろう。加えて、岡本拓也、山田直輝が退団したこともマイナスになる。その一方で、新たにスピード自慢のサイドアタッカーMF藤井智也(←鹿島)、田中に代わるアンカー役としてMFゼ・ヒカルド(←川崎)を獲得したが、戦力アップしたかと問われると疑問が残る。
ただ、即レギュラーとして期待されるMF田村蒼生(←筑波大)、強さと献身性を持つ湘南らしいFW渡邊啓吾(←桐蔭横浜大)の大卒2人は即戦力として期待でき、大型CBの本多康太郎(←湘南 U-18)、選手権でも活躍したDF松本果成(←流経大柏高)、スピード豊かなドリブラーのMF石橋瀬凪(←神戸弘陵高)の高卒入団選手たちも楽しみ。彼ら新人選手たちの活躍次第では評価も変わってくるが、まだ未知数な面が多く、補強としては物足りない。
■アルビレックス新潟「B」
クラブ史上初のルヴァン杯決勝を戦ったチームから松橋力蔵監督が退任し、新たに樹森大介監督が就任した。水戸のコーチとして手腕を発揮してきた樹森氏は、自身初のトップチームの監督となる。
その中で、守護神GK小島亨介、ルヴァン杯で得点を重ねたFW長倉幹樹(浦和)が流出したが、GKには小島と同じくビルドアップが得意で新潟育ちの藤田和輝(←千葉)を復帰させ、活動量多く前線を掻き回せるMF落合陸(←柏)、スピード豊かなMF若月大和(←山口)などを獲得。昨季J2で16ゴールを挙げて成長したFW矢村健(←藤枝)もレンタルバックさせて攻撃陣を充実させ、最終ラインには元オーストラリア代表DFのジェイソン・ゲリア(←メルボルン・ビクトリー)を加えた。
そして注目が、元U-17ブラジル代表で母国でも逸材と騒がれていたMFミゲル・シルヴェイラ・ドス・サントス(←PFCソチ)だ。元天才が期待外れに終わる可能性もあるが、技術はピカ一でワクワク感がある。退団者は多くいたが、その分、しっかりと補強しており、ミゲルへの期待感を込めて「B」評価としたい。