占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:昨年4月から新卒でブライダル業界に就職しました。その会社は合わず数カ月で退職し、別の業界に転職しました。ただ、自分の中ではまだブライダル業界に未練があります。いいご縁があり、その業界の会社の面接を受けることになりました。内定をいただけた場合、転職してもいいのか悩んでいます。今の会社にも恩はありますし、数カ月働いてまた次に行くのはいかがなものかと思っています。(女性/販売員/21歳/かに座)

A:これは答えるのがすごく難しいご相談だなと思ってしまいました。それでもこの方の立場になったつもりで考えた結果、「やってみたら?」という答えにたどり着きました。

 一つの判断軸は年齢です。若いときって、失敗や間違った選択が経験できる貴重な時間です。今いる場所から離れてもう一度ブライダル業界にチャレンジするとして、「短期間でお世話になった場所をやめていいのか」という気持ちもあるだろうし、今の仕事を大事にしたほうがいいという意見もあるかと思います。また戻っても相変わらずきつい業界かもしれない。でも、それも含めて若いときには全部が経験値になります。

 ただ同じ業界に戻るのであれば、前回は働く上で何がストレスだったのか、また同じ事態になったらどう乗り越えるのか、事前にどのような対策を取れるのか、など考えてパワーアップした状態で戻るのがいい気がします。

 占いをしてきた経験上、「自分の心が動いたことをやったほうがいい」というのはお伝えしたいです。今の会社を辞めてまたブライダル業界に戻りたい、というほうに気持ちはもう動いているのだから、それをなかったことにはできないし、やらなかったときのモヤモヤは長く残ると思います。常識には反するかもしれないし、動いた結果、誰かに迷惑をかけてしまうこともあるだろうけど、総じてそれらはあなたにとっての貴重なデータになるはずです。

 どう頑張って生きていても、人に迷惑をかけてしまう時はかけてしまうし、それはもう謝ることしかできません。

 あなたが偉いなと思うのはちゃんと良心の呵責を感じていること。「あの時私は自分の理想を叶えるためとはいえ悪いことをした」という罪悪感を持つことは、必ずしも悪いことではありません。その経験も自分の中での軸になっていくと思います。

 どちらの道を選んだとしても何らかのモヤモヤが残るような問題が、人生の中で今後も出てくると思いますが、その時に判断がうまくなるコツがあります。それは、問題から離れる時間を持つこと。

 手っ取り早いのは、ジョギングとか汗ばむぐらいの運動です。散歩レベルだといろいろ考えちゃうから、もう少し集中して無心になれるものを。

 かに座は仕事でのストレスを受けやすいから、無心になれる副業的な世界を持つのはおすすめ。趣味にしてはちょっとやりすぎでは?というぐらいハマれるものがあるとうまくバランスを取れるように思います。

AERA 2025年2月17日号

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