記者会見に臨むフジテレビの港浩一社長
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 中居正広氏が起こした女性トラブルでは、フジテレビ社員の関与があったと報じられているが、フォーカスされたのはフジテレビが女性アナウンサーや女性社員を「接待要員」にしていたのではないかという疑惑だった。

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 フジテレビが1月27日に行った2度目の記者会見で、女性アナウンサーを「接待要員」として扱うことが常態化していたかという趣旨の質問に対し、港浩一社長は、「タレントさん、番組出演者と打ち上げや新年会等々で会食をすることはあります。その中に女性アナウンサーが参加するときはあります」と語った上で、「接待要員として考えたことはありません」と否定。「一緒の仲間の一人として宴席を囲むという感覚でずっといましたので、接待要員という認識は私個人の感覚ではずっと持っておりません」と強調した。

 記者会見を見ていた他局の女性社員は複雑な表情を浮かべる。

「接待要員だったかどうかは会食に呼んだ立場の人間ではなく、会食の席に呼ばれた女性の感覚が大事です。上司にタレントと会食の席を打診されたら、断れないと思います」

 フジテレビの問題では、幹部社員が被害女性を中居氏との食事会に誘い、連絡先を交換させたことが、中居氏と被害女性のトラブルにつながったと報道されている。そこまでいかなくても、テレビ業界で、芸能人や有力者と親しくなるための接待に、女性アナウンサーや女性社員を呼んでいたことはあるだろう。

「選手に言われて女性アナを呼んだ」

 プロ野球取材の現場でも、テレビ局の番記者が選手との会食の席に女性アナウンサーを参加させることは珍しくなかった。

 民放テレビ局のプロ野球担当ディレクターが証言する。

「チームの顔となる選手にはインタビューをお願いする機会が多く、距離を縮めることで他のテレビ局と差をつけられる。僕も選手に言われて、女性アナウンサーを呼んだ時もありました。その時は食事をした後にカラオケに行って連絡先を交換していました。女性が嫌がっているようには見えませんでしたが、今回の報道で女性アナウンサーの気持ちを考えるようになりました。選手と会えたらうれしいだろうなと思っていたのはこちらの勘違いだったかもしれないし、本当は連絡先の交換はしたくなかったかもしれない。選手に機嫌良くなってもらうために『接待要員』として会食に呼んでいた感覚がゼロだったとは言えない。そこは反省しています」

 今後、選手との会食に女性アナウンサーを連れていきにくくなることは間違いない。

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かつてプロ野球選手と女性アナウ珍しくなかった珍しくなかった