予想以上に出費が重なるため、起業したコンサル会社を畳んで、“サラリーマン・コンサル”に復帰するケースも少なくないという。総務省のキャリア官僚を経て一時BCGに籍を置き、現在はフリーのコンサルタント兼“元官僚芸人”として活躍する松本昌平氏が話す。

「一時、コンサル需要の拡大を受けて大手コンサルティングファームが急激に人を増やしたんです。日本のアクセンチュアは2015年から2021年にかけて社員を3倍に増やしました。しかし、コンサル業界は独立する人が多いうえに、外資系を中心にリストラが激しい。グローバルの話になりますが、2023年にはアクセンチュアが2万人規模のリストラを、昨年はPwCが1800人のリストラを発表しました。その主な対象は管理部門の人材で、AI活用によるコスト削減を目的としたものでしたが、こうしてコンサル会社から放り出された人材の多くがフリーのコンサルとして活動を試みる。その結果、過当競争にさらされて疲れ果て、サラリーマンに戻る人が相次いでいる」

コンサルを派遣

 事実上、“派遣スタッフ”のように働いているコンサルも増えているという。

「昨今の人手不足で大手企業は採用数を増やしていますが、それでも人手が足りない。そのため、大手コンサルティングファームのなかには、取引先企業に常駐するスタッフとしてコンサルを派遣するケースが増えている」(松本氏)

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実はまだまだニーズはある