背景にはコンサルの細分化もある。友田氏によると、昨年最も規模の大きかったコンサルの倒産は、大阪を拠点にする北浜グローバル経営の破産で負債総額は20億円を超えたという。その原因は過剰に人を増やしすぎたことにあったと考えられる。

人件費負担だけで資金ショート

「この会社は、中小企業向けの補助金獲得支援のコンサルティングに強みを持っていたため、コロナ禍の補助金獲得ニーズを背景に急成長したのですが、その需要が剥落して事業が回らなくなったと想像されます。というのも、北浜グローバル経営の2020年の正社員数は10人だったのに、2023年には250人へと3年弱で25倍にまで急増していました。パートやアルバイトも加えると計350人です。急激にコンサル需要が衰えたら、人件費負担だけで資金ショートを起こすのは当然でしょう」(友田氏)

 このように細分化、専門化が進んでいるため、“コンサルがコンサルを雇う”ケースもある。大手のボストン・コンサルティング・グループ(以下BCG)などを経て2003年に百年コンサルティングを起業した鈴木貴博氏が話す。

「一昨年、インボイス制度が導入された際に、新たなソフトを導入したのですが、IT導入補助金を活用しようにも、当社にはそのノウハウがなかった。中小企業経営者はご存じでしょうが、行政の申請スキームは複雑怪奇につくられているからです。そこで、補助金申請支援のコンサルを活用させてもらったのです」

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予想以上にお金がかかった