実は、コンサル歴30年のベテランである鈴木氏も倒産の影がチラついた時期があったと話す。

「一般に、コンサルは大きな初期投資が不要で簡単に始められるように見えますが、20年以上前に私が起業したときには2000万円ほどの初期投資がかかりました。創業したばかりなので、事務所を借りる際には6カ月分の敷金を要求され、さらにオフィス家具やパソコン、FAX、コピー機、インターネット回線契約などで予想以上にお金がかかったんです。加えて、始めてみると、なかなかお金が入ってこない。コンサル料はプロジェクトが完了しないと入ってこないからです。一方で、プロジェクトに対応するために付き合いのコンサルに声をかければ、人件費がどんどんかかる。そのため、私も銀行から5000万円を借り入れていた時期がありました」

毎月1000万円程度のお金が出ていく

 鈴木氏によると、独立系コンサルタント会社でも幹部クラスの年収は2000万~3000万円に。中堅クラスでも1000万~1500万円というのが相場だという。

「コンサルを5人抱えたら、それだけで給与と福利厚生費込みで月に600万~700万円はかかる。その規模になると、事務所に応接室や会議室が必要になるため、月々の家賃は100万円を超えてくるでしょう。新たな技術や知識、スキル習得のために各種セミナーに出席して最新トレンドを学ぶための投資が必要になるほか、週3、4回は経営者などと会食をして情報収集する必要もある。その結果、キャッシュフロー面では毎月1000万円程度のお金が出ていく構造になるのです」

次のページ
サラリーマンに戻る人が相次いでいる