
佐々木麟太郎(スタンフォード大)と森井翔太郎(アスレチックス)の選択が日本球界へ波紋を広げつつある。アマチュアからNPBを経由せずに渡米した2人の活躍次第では、プロ野球の立ち位置さえ変化するとも言われている。
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MLBアスレチックスが1月15日(日本時間16日)、桐朋高(東京)の森井を獲得したことを発表。この動きには「日本球界の危機」と指摘する声もある。契約金は150万ドル(約2億3000万円)と高額。大谷翔平(ドジャース)と同じく投打の二刀流を目指す逸材の今後に注目が集まっている。
「昨年の佐々木は『将来のMLB入りを目指す』とはいえ形式的には大学進学だった。森井は、高卒でMLB球団との契約だったこともあり衝撃が走った」(NPB関係者)
2年続けて超高校級の選手が卒業と同時に渡米。昨年は花巻東高(岩手)の佐々木がスタンフォード大へ進学したが、MLB入りは現時点では未知数でもある。しかし今回の森井は「日米のプロ球界を比較して直接契約したことに意味がある」とされる。
「2人はプロ志望届を出せばNPBドラフトで指名されていたでしょう。しかしプレー環境、契約条件、引退後のセカンドキャリアを総合的に判断して米国を選んだ。『NPBより米国の方が良い環境』と判断した」(在米スポーツライター)
佐々木は高校通算140本塁打を放ったスラッガー、大谷の後輩ということもあり現地でも注目される存在。森井は投手として活躍しながら高校通算45本塁打を放つなど投打の才能に溢れ、米国の野球専門誌『ベースボール・アメリカ』の国際プロスペクトランキングで25位につけている。いずれの選手も“新たなルート”を開拓する先駆者になるだけの能力はある。
「2人の潜在能力の高さは周知で、『米国でどこまで伸びるか?』に日本のアマチュア球界関係者も注目している。佐々木は大学、森井はマイナーリーグと2つの異なったケースも参考になる。彼らの成長度合いによっては今後、高卒で渡米する選手が増えることになるはず」(MLBアジア地区担当スカウト)