「当初は新庄監督特有のリップサービスで上沢へのエールを含んだものだと思ったが、どうやら怒りは本物に感じる。ここまでくれば因縁・遺恨が盛りあがって欲しい。乱闘などはもちろんNGだが、両チームの選手、ファンを巻き込んでヒートアップした方が面白い」(在京テレビ局スポーツ担当)
近年は球団の枠を超えて選手同士の仲が良くなっており、シーズン中も殺伐とした戦いが少なくなっている。両球団には久しぶりに因縁・遺恨をはらんだ関係が生まれつつある。
「これまでの選手の引き抜きは因縁・遺恨を作り出してきた。米国ではレッドソックスのベーブ・ルースがヤンキースへ移籍したことで両球団のライバル関係が確固たるものになった。100年経っても忘れられない出来事」(在米スポーツライター)
1919年オフにベーブ・ルースを放出したレッドソックスは、その後の86年間世界一になれず「バンビーノの呪い」とまで言われた。ライバルチーム間の移籍に関して遺恨が生まれるのは国が変わっても一緒。また、上沢のケースのように“すっきりしない形”ならなおさらだ。
「近年は企画試合で無理に因縁・遺恨を作り出しているが、どれもお祭り感覚でしかない。『ゆとり世代』以降、他者と争うことも少なくなった中で久しぶりに本気の戦いが見られそう」(大手広告代理店関係者)
「東京ダービー(巨人vsヤクルト)」や「埼玉vs千葉(西武vsロッテ)」、「大阪ダービー(阪神vsオリックス)」など楽しみな対戦はあるが、真の熱が生まれるほどではない。それに比べ、日本ハムとソフトバンクは仕込んだものではない、「ホンモノ」の戦いにもなりそうだ。
「日本ハムとソフトバンクの間には因縁・遺恨が生まれる正当な理由がある。トラブルがあっては困るが、うまく育てれば日本球界を代表するカードになる。お互いの思惑はあるだろうが、グラウンド内が熱く燃え上がるように営業面でも工夫したら面白い」(大手広告代理店関係者)
「新庄監督のことなので、そこまで計算しているのかもしれない。順当にいけばパ・リーグ優勝争いをする2球団なので、グラウンド内外で様々な話題を提供して盛り上げるのも『あり』でしょう」(日本ハムOB )