ジョシュ・ホーキンソン(29):サンロッカーズ渋谷/ゴール下で体を張り、試合終盤でも走力が衰えないタフガイセンター。愛称は名字に「ホーク」があることから「たかちゃん」(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

富樫を目で追うだけで

「170センチに満たない身長であれだけ活躍できるのは、周囲を生かすプレーに長けているから。中でも、味方を壁にして優位な状況を作り出すピック・アンド・ロールという連携を繰り出す能力が突出しているんです。そして、その連携を軸にコートのどこからでも得点を奪える。さらに守備から一歩遠のいて放つステップバックスリーという必殺技もある」

 究極的に言えば、「富樫選手さえ追っていれば、それだけでバスケが面白く見える」。佐々木さんは富樫を追ううえで、ちょっとした“秘密”を教えてくれた。

「彼が調子いいときは、体中がバネのようにずっとぴょんぴょん跳ねているんです。彼が跳ね始めたら『ノってきたな』と注目するといいかもしれません」

 必殺のスリーポイントシュートがある富樫に対し、比江島慎はペイントエリアと呼ばれるゴール下に切り込むプレーが魅力の選手だ。

「昨今は戦略上、スリーポイントシュートが重要になっていますが、バスケの大原則はいかにゴールに近いエリアでシュートを放てるか。彼がボールを持って、代名詞である変幻自在の『比江島ステップ』を繰り出せば、高確率でゴールに近い位置でシュートを決められますし、彼が守備を引き付けることでフリーの味方にパスも出せる。そのペイントアタック力は歴代の日本代表の中でも右に出る者はいないのではないでしょうか」

 ジョシュ・ホーキンソンはCMにも出演するなど、お茶の間への認知も浸透しつつある人気者だ。一昨年に日本国籍を取得し、日本代表としてもゴール下を支える。

「まさに縁の下の力持ちです。Bリーグで守備を磨き、W杯や五輪でも世界クラスのセンターとして活躍しました。特筆すべきは献身性と走力、そしてタフさです。コートの端から端まで、40分間コンスタントに走り続けてくれる。現代バスケではセンターにも走力が求められますし、アップテンポな試合が予想されるオールスターにはうってつけの選手です」

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多士済々のスターたち