Kaienでは企業向けのセミナーで必ず、三つのメッセージを伝えている。

・不調やミスがあったとき、本人の努力不足や能力はひとまず脇に置いて、環境ややり方を調整しようと考えること

・「障害者」というレッテルや診断名ではなく一人ひとりの特性を理解しようと努めること

・慣習や既成概念にとらわれず、「人に仕事をあてはめる」という視点で、努力が実りやすい得意な仕事を任せること

 足立さんは言う。

「発達障害という言葉で線を引いて、ガラスの壁を作ってしまいがちですが、発達障害に限らず、人は皆でこぼこがあると思うんです。そのグラデーションの中に自分もいるんだという考え方に変わっていけば、障害の有無にかかわらず、多様な人が組織で活躍できる可能性があるのではと思っています」

(編集部・秦正理)

AERA 2025年1月20日号より抜粋

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