田中道子さん(撮影/和仁貢介)
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 モデル・俳優として活躍を続けながら、2022年に1級建築士試験に合格した田中道子さん(35)。24年4月にはプロサッカー選手の川又堅碁さんと結婚し、ライフステージの変化もありました。建築に興味を持ったきっかけ、芸能界での苦労を語ってもらった【前編】に続き、【後編】では1級建築士試験に挑戦しようと思ったきっかけ、川又選手との結婚生活などについて語ってもらいました。

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※【前編】<「芸能界はサラダしか食べられないし、地獄に落ちる」 俳優「田中道子」が芸能界入りに猛反対した父に今思うこと>より続く

――芸能の仕事も軌道に乗り、多忙の中、1級建築士試験を受けようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

 20年に新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出されたとき、私のお仕事もいったん全てストップしました。2カ月間、家と近所を散歩するぐらいの生活だったときに、「私の目標は社会貢献できる人間になることだったのに、全然なれてないじゃないか」と改めて目標を思い出して、ショックを受けたんです。

 私のモットーである「去年の自分より成長しよう」も全然できていないし、「このままじゃ絶対に後悔するな」と思ったんです。ただ、1級建築士試験のための勉強は大変だとわかっていたので、決意するまでには時間がかかりました。それでもチャレンジしようと思ったのは、法改正があって実務経験がなくても受験資格を得られるようになったことが後押しとなったからです。

 毎年1級建築士試験の合格率は1割程度で、「受かるはずない」というところからのスタートでした。でも「受かるはずない」と思いながら勉強をするのって、本当にしんどいんですよ。何度も「なんでこんなこと始めちゃったんだ」と思いました。でも、自分が決めたことを諦めるのは、自分への裏切りだと思ったのと、続けていたらだんだんと楽しくなってきたこともあり、続けることができました。

――勉強を始めてから、22年にストレートで1級建築士試験に合格。学科と製図を総合した合格率は9.9%と、狭き門を突破しました。

 何年かかるだろうな……と思っていたので、本当に奇跡のようです。

 2次の製図の試験は相対評価なので、自分としてはどこが良くて受かったか本当にわからないんですが……、本当に運が良かったなと思っています。

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20年たっても忘れられない「悔しさ」