2025年最初の3連休。3連休スペシャルとして、反響の大きかった受験にまつわる記事をあらためて紹介する(この記事は2021年3月5日に配信した内容の再掲載です。年齢、肩書等は配信時のまま)。
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親子の受験といわれる「中学受験」。結果はほぼ出揃い、入学手続きも無事終わったころでしょうか。第一志望校に合格して夢見心地の家族もいれば、希望校に入れずに悔し涙を流している親子もいるでしょう。しかし、「中学受験」という体験で得られるものは「合否判定」だけではありません。中学受験を経験したママライターが、この時期だから感じる受験後の子どもの成長について、綴ります。
「息子は現在、中学で部活を頑張り、友達と楽しい学校生活を送っています。その姿を見ると、受験の時に学校名にこだわり、一喜一憂していた母親の自分がバカらしく思えてしまいます」
昨年に中学受験を終えた知り合いのお母さんの今の心境です。受験に挑戦したのは、そのご子息Y君です。残念ながら、第一志望の学校に通うことはかないませんでしたが、それでも他では得難い経験だったといいます。
Y君は6年生にしては体も小さく、まだ声変わりも始まっていない、一人っ子で甘えん坊タイプのお子さんでした。お母さんの意見ははっきりしていて、「反抗期中の高校受験は耐えられそうもないので回避したい」という理由で中学受験を早々に決めていました。
小学3年生の2月前あたりから、お母さんはあちこちの塾の情報を仕入れ、Y君は入塾テストを経て通塾。帰宅後にはお母さんはY君と一緒に復習をしたり、テスト前には問題集を解き直させたりと、熱心に伴走をしていました。説明会や学園祭などにも早いうちから見学に行き、早々に志望校も決まっていたようです。
しかし、通っていた塾からは「授業態度に落ち着きがない」「集中力に欠ける」といったことを指摘され、成績も思うように伸びていきませんでした。そこで自宅からは少し遠い志望校に特化した対策をしてくれる塾に変更。お母さんは週に5日、お弁当を作り、Y君を小学校の門まで車で迎えに行き、塾へ通うようになりました。お母さんは子どもが塾で勉強をしている間に、一度家に戻り家事をして、また塾へ迎えに行くようなせわしない毎日を送りました。