24年元日の「新年祝賀の儀」で初めてティアラを着用した愛子さま、彬子さま、瑶子さま、承子さま=2024年1月1日午前11時、皇居・宮殿「松の間」
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 元日に皇居・宮殿で執り行われる「新年祝賀の儀」では、皇后雅子さま女性皇族は、ローブデコルテとティアラ(宝冠)の正装で臨む。ダイヤと真珠で装飾されたティアラの輝きは、見る人のため息を誘う。皇族として生まれた女性は成年のタイミングでお好きな意匠やデザインを取り入れてティアラを製作する。天皇、皇后両陛下の長女の愛子さまも新調する際には、ご一家で仲睦まじくご相談するのだろうか。皇室のティアラを製作してきた日本の宝飾工房が、プリンセスの宝冠について知られざる製作秘話を明かす。

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 1969年創業の宝飾工房「アトリエマイエドール」は、女性皇族のティアラを製作する工房のひとつ。2003年に成年を迎えた三笠宮家の次女、瑶子さまのティアラから、高円宮家の承子さま、秋篠宮家小室眞子さんなどのティアラを手掛けてきたという。

 内親王や女王が成年を迎える1年数カ月ほど前に、ティアラを製作する業者が入札で決まる。そこから、ご本人のご希望やお好きなデザインなどを伺い、打ち合わせに入っていく、と話すのは 「アトリエマイエドール」代表の大倉仁さんだ。

「そうはいっても、この段階での内親王さまや女王さまは18、19歳とまだ、お若い。打ち合わせは、宝飾品について深い知識をお持ちのお母さま、つまり妃殿下が主導なさる形で進みます」

 瑶子さまは、星のモチーフをやわらかな曲線でつつみこんだ愛らしいデザインで製作することになった。

 06年には高円宮家の長女、承子さまが成年を迎えられた。エキゾチックで個性的なファッションが人気の承子さま。そのティアラは、フェニックスの羽をモチーフにしたデザインだった。

 母の久子さまは、宝飾品の知識も深い。一般的にティアラはきっちりと左右対称のデザインをイメージするが、承子さまはアンシンメトリー(左右非対称)のデザインを選ばれたという。

「宝飾品にも造詣の深い、お母さまの久子さまならではのご提案でした」

 と、大倉さんは振り返る。

「新年祝賀の儀」に向かう高円宮家の久子さまと長女の承子さま。承子さまのティアラやイヤリングは、「フェニックス(不死鳥)」をモチーフにしたデザイン。久子さまのティアラは、近衞甯子さんが皇族時代にお使いだったもの=2024年元日、東京・半蔵門、読者の阿部満幹さん提供
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